2008年10月30日木曜日

『東大を動物園にしろ』


三島の『東大を動物園にしろ』って文章が、とてもいいから、いくらか抜粋してメモ。


「ぼくは反革命なんだ、絶対に反革命で押し通すつもりだからね。見ておいでよ、いまに反革命が一番カッコよくなるから。反がつきゃ、なんでもカッコいいんだからいまファッションとして革命をえらんでいる連中、そのときになって先をこされたと口惜しがるだろうさ」

「だいたいいま革命だ革命だっていってる連中、命を懸けてないよ。新宿騒動のとき、ぼくは武器がどうエスカレートしているかを見に行ったんだ。エスカレートしてなかったね。竹槍すら出ていない。遠くから機動隊へ投石したり、電車のガラス割ったり、あんなことならおれにだってできる。あぶなくなったら逃げちまえばいいんだからね。何が革命だという感じだな。一種の自己欺瞞だよ。(中略)

命を賭けるなら一生に一度という古い考えがあるけれども、彼らのやってることと言えば、テントウムシの群のようにヘルメットの軍を集めてワイワイガヤガヤ、電車のガラスを割って『革命です、命賭けです』といったって誰が信じるものかね。革命は殺すか殺されるか、どちらかだよ。(中略)

要は度胸がねえんだよ。一人でやる度胸がねえんだ。」



「しかしきみ、革命っていうのは、今日よりも明日を優先させる考え方だろう。ぼくは未来とか明日とかいう考え、みんな嫌いなんだ。(中略)

未来社会を信ずるやつはみんなひとつの考えに陥る。未来のためなら現在の成熟は犠牲にしたっていい、いや、むしろそれが正義だ、という考えだ。(中略)

未来社会を信じないやつこそが今日の仕事をするんだよ。現在ただいましかないという生活をしているやつが何人いるか。現在ただいましかないというのが文化の本当の形で、そこにしか文化の最終的な形はないと思う。

小説家にとっては今日書く一行が、てめえの全身的表現だ。明日の朝、自分は死ぬかもしれない。その覚悟なくして、どうして今日書く一行に力がこもるかね。(中略)未来のための創造なんて、絶対に嘘だ。



三島のいうことには未来のイメージがないなんていわれる。
馬鹿言え、未来はおれに関係なくつくられてゆくさ。」