夢の中で親父とケンカをした。
それで家を飛び出して、無性に走りたくなって山の中を駆け出したんだ。家が山の中にあったんだな。
ずっと下り坂で全然疲れなくて、結構な速度が出た。
左右にくねくね曲がる道をしばらく走ると、そこに爺さんとうり坊、要するにイノシシの子供がいた。
おれはあぶねえと思ってうり坊を避けたんだが、うり坊は何度でもこっちに向かってくる。おれは逃げ回った。
やがて爺さんが「どちらかが囮になるしかない」と言うので、それ以上行く必要もないかと思い、坂を戻ろうと思った。振り向くとそこは園児たちの群れで大変なことになっており、その中をかき分けながら進む羽目になった。
行きにはまるで気付かなかったのだが結構な急坂で、そこら辺の木の根やら石やらに両手をついて上る。
坂はどんどん急になりいよいよ園児たちの頭を掴んで行くしかなくなってしまったが、あっちは「お爺ちゃん何歳?」と呑気なものだ(いつの間にかおれは爺さんと同化してしまったらしい)。
ずっと上っていくと最後はハシゴを上るしかなくなって、何処からか「まだ上るぞ、スゲーぞあの爺さん」と声が掛かった。
91段、92段、93段、するととうとうハシゴの先の木の根元に、人一人入れるほどの穴があった。おれは助かった、と思った。
そこに入ると、妻が突然「横文字のキャッチフレーズが欲しいね」と言った。
それがどんなだったかは忘れたが、「ああやって森に入って、一人一人消えるようにいなくなっちゃうんだよね」「それで消えちゃった人たちが暮らす国があるんだよね」と言った。おれは「へえ」と答えた。
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