2008年9月30日火曜日

就活と愛

ガンディです。

最近、就活なるものをしています。はい、今あなた、ゲッ、あのガンディが就活!などと思いましたね。私にはぜんぶ お み と お し

今までぼくは彼女の奨学金と生活費とで生活しておったのですが、どうにもその金も底をつき初めたらしく、最近ではぼくがどれだけ「大丈夫!今に死んだら新聞に載るようなロックスターになるから!」と訴えかけてみても彼女はしかめっ面で財布の紐をほどこうとはしないのです。なんてことだ!君だけが頼りなのに!君を心から愛しているのに!ぼくは真っ赤な薔薇を一輪、そっと差し出しました。しかし彼女は暗い顔をしたまま、どうしても首を縦にふろうとはしないのです。

とりあえず食っていかなければならないので、自分で仕事をしてみようと思いました。時には男だって、働かなければならない時があるのです。ライオンをみなさい!普段はぐーたらしたままメスに狩りを任せっぱなしですが、いざ本当に腹がへったとなるとハイエナが群れてるのをおっぱらってのそのそ餌を奪ってくるでしょう。そのノリです。男にはやらなければならない時があるのです。

ただし悲鳴があるので、土日があるやつはだめです。月収は25万以上。23区内勤務。社会保険完備。もちろん正社員採用。残業厳禁。希望を言えば週四。希望を言えば11時以降出勤、5時以前退社。有給20日。希望を言えばクリエイティブな業種(ぼくは貴族なので単純労働系はあまり向かない)あんまり会社から外に出なくてもよくて、かつ目がつかれたりしないやつで、社内にはビュフェとジムがあるやつがいいですね。責任のある大きな仕事をやりたい。ただし責任はとらなくていいやつで。いっそのこと働きたくない、金だけくれ。

そんなわけで、早速リクナビネクストに登録し、条件の合うものを検索。しかしながら驚くべきことに、条件に合う会社がない!どうやら今って就職難らしい?全くひどい話です。未来ある若者が、こうやって真剣に仕事を探そうとしているのに。それを受け入れる素地がなくて、何が政治でしょうか。かつてカール・マルクスはこう言いました、「働かなくていいのだ!」しかしそのような理想社会は、下らない政治家どもの政治的占有と、資本家どもの独善的搾取によって未だ至りません。これは決して許されるべきことではないのです。今すぐぼくを資本家にしなさい!

理想は高いのですが、腹はへります。彼女は怖いです。仕方がないから、ぼくは少しだけ我慢することにしました。
セクシュアリティ・人類学系専門の学術系出版社編集。月収20万。募集人員・1人。
編集ならまあまあクリエイティブな感じです。募集要項には一応「三年以上の実務経験有り」とかなんとかもっともらしいことが書いてありましたが、読まなかったことにしました。読まなかったんだから仕方がない。読まなかったんだから、なかったことなのだ。

とりあえず「出版界はネット社会と競合し…市場を失い…未来はなく…こういう時代だからこそカリスマ的な…だから私をとらないと御社はえらいことになる的なメッセージを自己PR欄にところせましと書きめぐり、余った余白に「私事ではございますが母が病で…手術代が…人ひとりの命がかかった入社試験ですが…精一杯努力したいと思います、かしこ」とも記入、更に唾を数滴たらして即席の涙を偽造、履歴書を添えてポストに投函。一週間程で書類審査合格の通知がきた。ははあ人事の野郎、わたくしにビビりやがりましたななどと味をしめ、再び二次審査でも泣き落とし作戦を展開、「人事さん…あんたにも、、、守らなきゃあならない人の一人や二人、いるだろう?」の一言で、無事二次試験も突破しました。

三次は筆記です。さすがのわたくしめもこれは何がでるかしらんとおっかなびっくりでございましたが、意外と普通で「フーコーとレビストロースと上野千鶴子とサイードの思想をそれぞれ1000字で説明しろ」というまるでひねりのない極めて素直な問題。「これじゃ得点に大して差がつかないだろう」と極めてするどい判断をしたぼくは早々に問題を切り上げ、余白に一次試験の時の自己PRの続きを書き始めました。人事さん、ぼくは落ちぶれても貴族です。ぼくだってなあなあのナイフで毎日毎日大事な時間を意味もなくけずってるわけでもないのです。ぼくには才能がある。ただ、実に残念なことにそのことに気付いたのはまだ世界でぼくただ一人しかいないのです。しかし貴方には二番目になる権利があります。貴方はリスクをほとんど負うことなく、目の前にころがる、巨大なダイヤの原石を今すぐ自分だけのものにしてしまうことができるのです。ぼくがここに来たことは、貴方にとってきっと大きな転機となることでしょう。冬月、おれと一緒に出版界の新しい歴史を作らないか?云々。

更に昼飯くってから面接。わたくしめの新人とは思えぬ堂々たる態度に目に見えてはっきりと面接官がビビりきっておる。となりの新卒クンもビビり切っておる。しばらく趣味だの住所だの核心を避けた話題が続いていたが、とうとう面接官がおそるおそると言った様子で、わたくしめに一番聞きたかったことを尋ねてきた。
面接官ちん「あの…山田さんは実務経験は無し、とありますが…。」
山田「はい、実務経験はありませんッ!」
面接官ちん「ええと、一応実務経験者のみの募集とさせて貰っていたのですが…」
山田「いえ!実務経験のあるなしは、問題にはなりませんッ!」(キッパリ)

うひゃわははははは面接官ちんめ、わたくしめの実に堂々たる態度に今にも小便ちびりそうなほどビビっておる。ビビってるっていうか、ちょっとひいてる。ぼくの頭の中には今ブランキーの「スカンク」が流れておる。だからきっと大丈夫。彼はぼくの ト モ ダ チィ




で、先日出版社から採用の通知が来た。内定通知書には、「実務経験のあるなしが問題になるかどうかは、一応こちらが決めることですので…」といった内容の文章が、極めて遠慮深げに、婉曲な言い回しで添えてあった。おれ軍、暁の勝利である。まあおれ天才だから当然だな。ぼくが出版社を受けると知って「出版社なんて早々受かるもんじゃない」「ましてや学術系なんてなおさら」「いつまでも夢みてないでもっと確実なところを受けなさい」などとのたまっていた連中(連中と書いてクズどもと詠む)は開いた口がふさがらんようであった。うひゃほへはあ、愉快爽快満開じゃひゃはあ。


ところがなめくさったことに人事のやつめ、恐れ多くもわたくしめに土日出勤も、たまには、あるかもとか、語尾を濁しながら、にやにや笑っておっしゃいますのだ。それムリじゃん。だってそれ、ライブの予定がたたないじゃん。てかおれ、土日どころか平日も有給がんがん使う予定なんすけど。有給使いきったら、熱だしまくったり、親族殺しまくったりしてライブする予定だったんですけど。
ごめんムリ。と一言だけ残して社を後にしました。


んなわけでニート。今ニート。おれニート。ニートじゃない、専業主夫という立派な職があります。彼女におべっか使ったり、花をあげたりして、ご機嫌をとる仕事です!今は一応契約社員ですが、正社員登用後は社会保険完備、寮あり、まかない有り、定年なし。

なーんだ。おれだってちゃんと働いてたんじゃん。このままでよかったんじゃん!

てか、今の自分を否定することは、今まで自分を支えてきてくれた人にすごく失礼じゃん!


ってことを短い就活から学びました!おかげさまで、またひとつ成長できたと思います!みんな本当にどうもありがとう!みんな愛してるよ!平等に!